2008年9月27日土曜日

Glenn Gould


大好きなアーティストの一人、グレン・グールド。

私が生まれた次の年にこの世を去ったピアニスト。

初めて聴いたのは、社会人2年目の冬。
ku:nelで紹介されていた1981年版のゴールドベルク変奏曲を
たまたまCDショップで見かけて買ったのがはじまり。

バッハはもともととても好きではあったけれど、
彼の演奏には文字通り惚れ込んでしまって、
この頃は寝ても覚めても聴いていた。

最初の録音が1955年。駆け抜けるような演奏。
音だけでも、彼の若さがあふれている演奏。
それが25年の時を経て、熟成された演奏が1981年版。
いやでもそれだけの「年月の経過」、「歩んできた道のり」を
想起させてしまう演奏。

旋律が幾重にも重なって、生まれては消えを
繰り返しながら流れていくのに、
音は濁ることなく、一音一音が澄み切っていて、
注意して聴けば、ひとつひとつの旋律が
浮かび上がってくる。

バッハが好きな理由は、単体でも美しい声部が
何層にも重なることによって生まれる響きがさまざまな
感情を想起するからかもしれない。


それが、自分ではどうすることもできない感情であったとしても。


電話越しに聞こえる音楽が何かと聞かれて、
ぽつりと「バッハ…」とだけ答えた真夜中、
私は一生忘れない。
寝ても覚めても聴いていたあの頃の記憶。


避けていたゴールドベルク。
i podに入れることはまだできないけど、
ようやく自分から聴けるようになった。

カルミナ・ブラーナを聴いても
心が揺れなくなったときと似ている。

それも遠い昔の記憶。

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